鶴見の田祭り

復活した鶴見の田祭り 祭式次第

祭祀日

昔は毎年正月16日に行われたが、現在は毎年4月29日とする。当日は午後4時から鶴見神社本殿において杉山祭が執行される。これが終った後、社務所に設けられた舞台で、神事掛り12人(他に蟇目役・牛役小童2人・早乙女役少女2人・神馬役1人・道化役2人、近年は演者希望者が増え牛役6人・早乙女6人と増員されている)によって神壽歌が執行される。

杉山祭

午後4時、蟇目役を先頭にして杉山祭参列のため、社務所玄関より逐次屋外に出て、神事掛りの作大将と稲人の二人も行列に加わる。定められた順序に従い大鳥居前より拝殿に向かう。

神事掛りの道具改め

神事掛りは、当日午後3時、社務所に集合、各自所定の衣服に着がえて拝殿前に集まり、正面に設けられた台の上にかねて用意された道具を運んで並べる。

杉山祭終了後、神事掛り全員が揃ったところで神官のお祓いを受ける。
その後、道具改めと称して各自の道具に異常のないことを確認する。これが終わると、その前で神壽歌を復唱する。

祭典が終わると神事掛りは各自鍬を持って、社務所に待機する。
祭事掛りは残った道具を舞台上に運び、駒止めの所定の場所に立てかける。ただし、神馬は社務所に運ばれ、牛役、早乙女役・道化役・囃子方も各々社務所に待機する。

蟇目(ひきめ)の儀

午後5時50分蟇目役は、右肩から肩襷をかけ舞台に上がり、重籐の弓を左脇に抱え持ち、舞台正面に立って雁股矢を持ち、弓につがえて鬼門( 艮= 東北)に向かって放つ、そして鬼門返しとして裏鬼門( 坤=南西)に矢を放つ。いわゆる悪魔払いの儀式である。
『杉山神社神欝歌釋』『杉山大明神御事歴』『千草』に、「祭式は正月十六日酉の上刻(今の午後六時)、村民十二人が社頭に集ひて同音に歌を謡ぴ種々の式を行ふ……」と、往古演じられた田祭りの様子が詳細に記載されている。それによると、田祭りは氏子を三分して行われていた。すなわち三年に一度当番氏子となり、この中で殊に由緒ある佐久間権蔵、塩田九左衛門、塩田五左衛門の三家が、それぞれ当番宿(神事宿)を勤めて、祭式の準備、執行を指図した。復活時に交替で三軒の家長に蟇日役を依頼した。
現在は、一の弓の蟇目役は旧鶴見村の名主を勤めた佐久間家と塩田家が一年交代で勤め、二の弓は地域代表として自治会長が交代で勤めている。

神壽歌

午後6時、舞台下に待機していた神事掛り12人は鍬を担ぎ、作大将を先頭にして舞台に上がり、右側に作大将以下5人、左側に稲人頭以下5人が向かい合って整列する。以下、神壽歌執行。
最後に豊年祝のところで「於鶴」「亀蔵」の感応呪術が賑やかに演じられて神壽歌が終了する。

直会

蟇目役・神事掛りは神壽歌が終わると、舞合に設けられた直会の席に着く。料理は古式に則り作られる。

吸物   塩小豆汁(但し大角豆)
御神酒 濁酒
箸    接骨木の木で作る。直径五分 長さ一尺

料理を食べ終わり、拍手を一つ打ち、「おめでとう」と言ってお開きとなる。

撒餅(まきもち)

終わりにあたり、蟇目役が舞台正面に立ち、神事掛り・祭事掛り・役員はその後ろに並び、蟇目役の音頭で観衆と一緒に三本締めで終わる。

神詣歌の行事がすべて終ると、神事掛り・祭事掛り・役員が舞台の上から観衆に向けて紅白の餅を撒く。